B-29:毎月払っているIT費用、見直してみましょう —使っていないサブスクの探し方と削減のコツ
IT費用の棚下ろしをしましょう。
使っていないサービスに、今日もお金が流れていませんか?現場25年の経験から、気づきにくい「もったいないIT費用」の実例と、今すぐできる棚卸しの手順をお伝えします。
「毎月いくらITに払っているか、正確に言えますか?」
こう聞くと、多くの経営者の方が少し考え込みます。クラウドのサービス、ソフトウェアのライセンス、インターネット回線、スマホの月額。気づけばあちこちから引き落とされていて、全体像を把握している方は意外と少ないものです。
IT費用は「毎月決まった額が引き落とされる」という性質上、一度契約すると見直しのきっかけがないまま何年も続いてしまいがちです。しかも、使っていないサービスにお金を払い続けていても、誰も「それ、もう要りませんよ」とは言ってくれません。
この記事では、私が現場でよく見かける「もったいないIT費用」の実例をご紹介しながら、今日からできる見直しの手順をお伝えします。
使っていない回線に、毎月お金を払っていませんか?
あるお客様からインターネット回線の不具合があると連絡をいただき、現場へうかがいました。トラブルを調べているうちに、回線の契約が3本あることに気づきました。うち2本は実際に使われていましたが、残りの1本は配線すらされていない状態でした。
調べてみると、数年前にオフィスを模様替えした際に使わなくなったものの、解約の手続きをしないまま毎月5,000円を払い続けていたのです。社長ご自身も「そういえば何か契約していたかも…」という反応でした。
年間にすると6万円。決して小さくない金額ですが、毎月の引き落としに埋もれてしまっていたわけです。
📌 こんな場面で増えやすい
インターネット回線やひかり電話の契約は、オフィスの移転・模様替え・増設のタイミングで増えやすく、そのまま放置されやすい費用の筆頭です。「今、何本契約しているか」を確認するだけでも、見直しのきっかけになります。
スマホの月額、契約時のまま放置していませんか?
別のお客様の話です。社長のお母様が個人用の新しいスマホに機種変更されたのですが、月の請求額が15,000円にもなっていると相談を受けました。
調べてみると、契約時にショップのスタッフから勧められた月額オプションが複数追加されていました。クラウドストレージ、動画配信サービス、端末保証の上乗せプランなど、個別には数百円〜数千円でも、合計するとかなりの金額になっていたのです。
ひとつひとつ確認しながら不要なものを解約した結果、月額を約10,000円カットできました。年間にすると、12万円の削減です。ものすごく感謝されました。
📌 契約時のオプションに注意
スマホショップでの契約時は、オプションが自動的に追加されているケースが少なくありません。「最初の数ヶ月は無料」という条件付きで加入し、そのまま有料になっているものも多いです。機種変更後は必ず請求書を確認する習慣をつけることをお勧めします。
人が変わったら、契約も見直す
もう一つ、印象に残っている事例があります。
あるお客様の会社で、社内のデザイン業務を担当されていた方が退職されました。その後しばらくして訪問した際、プロのデザイナー向けの専門ソフトが引き続き契約されたままであることに気づきました。年間で10数万円のソフトです。
現在のご担当者に確認すると、「チラシや資料を作る程度なら使えれば十分」とのこと。そこで、一般向けの操作しやすいデザインソフト(年間約1万円)に切り替えることをご提案しました。
年間で10万円以上の削減になりましたが、それ以上に大切なのは「今の体制に合ったソフトを使う」という考え方です。高機能なソフトが悪いわけではありません。使う人と目的に合っていないことが問題なのです。
今すぐできる。IT費用の棚卸し3ステップ
ここまでの実例に共通しているのは、「誰も気づいていなかった」という点です。悪意があったわけでも、管理がずさんだったわけでもない。ただ、確認する機会がなかっただけです。以下の3ステップで、今日から棚卸しを始めてみてください。
通帳やクレジットカードの明細を6ヶ月分さかのぼって、IT関連と思われる支出をすべて書き出します。私が現場でお手伝いするときは、社長・経理部長・私の3人で明細を広げて、「これは何の請求?」と一つひとつ確認しながら進めることもあります。会社の口座だけでなく、社長や担当者の個人カードで払っているものも含めて確認しましょう。
一覧ができたら、それぞれについて3つを確認します。この3つが答えられないものは、見直しの候補です。
棚卸しは一度やれば終わりではありません。人の入れ替わりや業務の変化に合わせて、定期的に確認する仕組みが大切です。今すぐスマホのカレンダーに「IT費用の見直し」を6ヶ月後に設定してみてください。
- インターネット回線・電話回線の契約本数と使用状況を確認した
- スマホの月額プラン・オプションを請求書で確認した
- ソフトウェア・クラウドサービスの契約を一覧にした
- それぞれについて「誰が」使っているかを確認した
- それぞれについて「何のために」使っているかを確認した
- 退職・異動した人が使っていたライセンスを確認した
- 「最初の数ヶ月無料」で加入したまま有料になったものを確認した
- 次回の見直し日をカレンダーに設定した
※ 答えられない項目は見直しの候補です。すべてに答えられれば、IT費用の把握ができている状態です。
6ヶ月分の明細を見直してみると、月額のサービスは比較的気づきやすいものです。ところが、年に1度、あるいは数年に1度だけ請求されるサービスは見落としやすい。ドメインの更新料、サーバーの年間契約、ウイルス対策ソフトのライセンス。こういったものは、6ヶ月の確認だけでは引っかからないことがあります。
現場では、3年に1度更新のウイルス対策ソフトを発見したこともありました。契約した本人がすでに退職していて、誰も把握していなかったというケースです。
気になる方は、12ヶ月分さかのぼるか、年間・複数年契約のサービスだけ別に書き出しておくと安心です。更新日も一緒に確認しておくと、「気づいたら自動更新されていた」という事態も防げます。
この記事のまとめ
- 使っていない回線・オプション・ソフトは、誰も教えてくれないまま引き落とされ続ける
- 契約時・機種変更時・人事異動のタイミングが見直しの絶好のチャンス
- 「誰が・何のために・いくら」の3点を半年に1度確認する習慣を持つ
- 削減できたお金は、本当に必要なITへ使う。節約ではなく経営判断