B-28:葛飾区・東京都のIT補助金・助成金まとめ —使える制度と申請で失敗しないポイント
「ホームページを作りたいけど、費用が…」と思っている経営者の方へ
地域の制度を使えば、ホームページ制作費やIT関連にかかった費用が補助されることがあります。
葛飾区・足立区・江戸川区をはじめ、近隣エリアの補助金・助成金をまとめました。
ホームページ制作会社やIT業者に相談する前に、まずこの記事を読んでください。その順番だけで、数万円から数十万円補助されることもあります。
ホームページが補助金で作れる →知っているか知らないかで、数十万円の差が出ます
「ホームページを作り直したいとは思っているんですが、費用がかかりそうで…」というご相談を現場でよく受けます。
実は、事業所のある地域によっては制作費の半額以上が補助される制度があります。毎年受け付けている制度も多く、「知っていた会社だけが使えた」という状況が続いています。
補助金・助成金の内容は年度ごとに変わります。この記事の金額・対象・申請期間は執筆時点の情報です。申請前に必ず各自治体の窓口・公式サイトで最新情報をご確認ください。
葛飾区 :ホームページ作成費補助金
ご相談をいただく中でも、活用実績の多い制度です。区内の中小企業がホームページを新規作成・全面改修する際に、費用の一部を助成してもらえます。とても使いやすい補助金ですが、ホームページ制作着手前に申請する必要があります。制作会社への発注時に、この助成金を使いたいという相談をして下さい。
対象・補助額・申請の流れ(上限5万円/外国語対応8万円)
| 対象 | 区内に事業所を持つ中小企業(1年以上継続)※葛飾区の創業塾の全ての講義を受講し、創業した事業者は1年未満でも対象とする。 |
| 補助額 | 費用の1/2・上限5万円(外国語対応は上限8万円) |
| 注意点 | 制作着手前に申請必須。過去2年度以内に受給した場合は対象外 |
| 受付期間 | 年度初めから翌年2月末ごろまで(令和8年度は令和9年2月26日必着) |
ECサイト・PR動画も「ついでに」同時申請できる
ホームページ作成と同時に申請することで、ECサイトの新規構築(上限10万円)やPR動画の作成・掲載(上限2万円)も補助対象に加えられます。単独申請は不可ですが、セットで申請することでまとめて補助を受けられます。
IT関連では「デジタル化支援事業費補助金」(上限50万円)も
葛飾区にはホームページ補助金とは別に、デジタル技術を導入して生産性向上・業務効率化に取り組む区内中小企業を支援する補助金もあります。勤怠管理などのシステム導入、クラウドサービスの利用料、キャッシュレス決済機器まで、より広いIT投資が対象です。補助率は1/2で、上限は1事業者50万円(ハードウェア購入費は上限20万円)。こちらも区内で1年以上の営業実績が条件です。
足立区 :令和8年度から大幅アップ、動画セットで上限25万円に
制度概要と変更のポイント
足立区の「ホームページ作成・更新補助金」は、令和8年度(2026年度)から補助上限が大幅に引き上げられました。通常枠で20万円、動画制作とセットで申請すると25万円まで補助されます。補助率は費用の2分の1です。
| 補助額 | 費用の1/2・通常枠上限20万円、動画セットで上限25万円 |
| 対象 | HPを開設したことがない、または活用できていない事業者 |
| 注意点 | 事前にウェブ活用アドバイザーへの相談予約が必要。予算上限に達し次第終了 |
| 受付期間 | 年度初めから翌年1月末ごろまで(令和8年度は令和9年1月29日まで) |
「活用できていないサイト」のリニューアルにも使える
「昔作ったホームページが古くなっていて、ほとんど使っていない」という状況のリニューアルにも対応しています。ただし単なるページ追加・機能追加は対象外で、全面的な更新が条件です。年度前半に申請が集中する傾向があるため、早めの動きがおすすめです。
IT関連では「小規模事業者等経営改善補助金」も選択肢のひとつ
区内の小規模事業者が機械設備の購入や店舗改修などに取り組む際の費用を補助する制度もあります。IT・デジタル関連の設備投資が含まれる場合は活用の可能性がありますので、区の窓口でご確認ください。
江戸川区 :HP・動画・展示会が「販路拡大支援事業助成金」に一本化
対象経費と上限額(ホームページは10万円、EC・多言語対応で20万円)
江戸川区の「販路拡大支援事業助成金」は、ホームページ・動画・展示会出展がひとつの制度にまとまっているのが特徴です。制度全体では上限30万円と書かれていますが、30万円は国外の展示会出展の枠です。ホームページで使える額は別なので、区分ごとに見てください。
| ホームページ作成・改修 | 上限10万円(ECサイト・多言語対応は20万円) |
| 企業紹介動画の作成 | 上限10万円 |
| 展示会等への出展 | 国内20万円/国外30万円/オンライン10万円 |
| 助成率・対象 | いずれも費用の1/2以内。区内の中小企業者が対象 |
同一年度内の申請は1回までです。なお、これまであった「生涯で3回まで」という回数制限は令和8年度で終了したため、過去に3回使った方も、あらためて申請できます。
江戸川区だけ「作ったあとに申請」。順番が逆なので注意
ここまで見てきた葛飾区・足立区は着手前の申請が条件ですが、江戸川区は逆で、先に制作・出展を済ませてから申請します。同じ感覚で動くと、どちらかで必ずつまずきます。予算上限に達し次第終了となるため、事業が終わったらなるべく早く申請してください。令和8年4月からは電子申請も始まりました。
IT関連では相談窓口も活用できる
江戸川区経営支援課では、DXツール導入に関する相談も受け付けています。補助制度の詳細とあわせて、まずは窓口に相談してみるとよいでしょう。
千葉県松戸市・埼玉県三郷市・埼玉県八潮市 :市独自のHP専用制度は現時点では見当たらない
千葉県松戸市 :中小企業デジタル化チャレンジ補助金が選択肢
中小企業デジタル化チャレンジ補助金
ITツール全般が対象で、補助率は2/3、補助上限は50万円です。ただしホームページ作成費だけを見ると上限25万円(機器購入費も別枠で上限25万円)。さらに対象経費の合計が50万円未満だと申請できないため、ホームページ単体では条件を満たしにくい制度です。HP以外のデジタル化とあわせて考えるのが現実的です。
埼玉県三郷市・八潮市 :埼玉県の制度と国の制度が現実的な選択肢
両市とも市独自のHP専用制度は現時点で確認できていません。埼玉県の制度として中小企業DX導入支援補助金(補助率3/4以内・補助額7万5千円~300万円)がありますが、生産性向上のためのDXツール購入が主対象のため、HP制作単体での申請は難しい可能性があります。募集は期を分けて行われるので、時期にもご注意ください。申請前に商工会議所または県の窓口にご確認ください。
両市とも現実的な選択肢は、次のセクションで紹介する国の持続化補助金です。
都・国の制度も押さえておく
東京都中小企業振興公社・市場開拓助成事業(都内事業者向け)
都内中小企業の販路開拓を支援する制度。サイト制作・改修費も申請可能な場合があります。詳細は振興公社の公式サイトでご確認ください。
小規模事業者持続化補助金(全国対象)
販路開拓・業務効率化が対象で、HP制作費も対象経費に含まれます。通常枠で上限50万円(補助率2/3)。インボイス特例や賃上げの特例を使うと、さらに上乗せされます。ただしウェブサイト関連費だけは別に上限が設けられており、その額は回ごとに変わります。申請前に、その回の公募要領で必ず確認してください。商工会・商工会議所経由で申請します。
補助金の額がわかったら、次に見るのは制作費の総額です。上限20万円の制度でも、総額がいくらなのかを知らないままでは、足りるのか足りないのかを決められません。費用の内訳は「A01-03:制作の流れと、かかる費用」で、初期にかかるもの・毎月かかるもの・年に一度かかるものの3つに分けて整理しています。
筆者の余談
補助金のご相談で多いのが、「すでに制作会社に発注してしまった」というケースです。多くの制度は着手前の申請が条件で、発注後では対象外になってしまいます。「ホームページを作ろう」と思ったら、制作会社に問い合わせる前に、まず補助金の有無を確認する。この順番を習慣にしていただくだけで、数万円から数十万円が変わってきます。
もうひとつ、助成金の「条件の中身」も必ず読んでほしいと思います。商品開発系の助成金では、開発までは補助してくれても販売した時点で権利が制限されるものがあります。テスト販売までは認められていても、本格的な量産・大量販売は対象外という制度もあります。さらに見落としがちなのが実施期間です。「来年3月までに開発を完了させること」という条件がある場合、せっかく良い商品が完成しても、期間内に売り出せないまま助成金の期限を迎えてしまう。そんなケースを実際に見てきました。
もらえる金額だけでなく、「何ができて、何ができないのか」を申請前にしっかり確認することが、助成金活用の本当の成功につながります。
この記事のまとめ
- 葛飾区・足立区・江戸川区には、ホームページ・動画制作費を補助する独自制度がある
- 足立区は令和8年度から上限が25万円に増額:今年度は特にチャンス
- 江戸川区だけは「作ったあとに申請」。葛飾区・足立区とは順番が逆
- 江戸川区のホームページ枠は10万円。制度全体の30万円は国外展示会の枠なので混同しない
- 松戸市・三郷市・八潮市は市独自のHP専用制度がないが、国の持続化補助金が現実的な選択肢
- 「ホームページを作ろう」と思ったら、制作発注より先に補助金の有無を確認する
- 制度は年度ごとに変わる。申請前に必ず窓口で最新情報を確認する